都心との程よい距離感と上質な住環境で、今や憧れの住宅エリアとなっている東京都世田谷区。中でも砧は、広大な公園に活気ある商店街、美術館もあり、世田谷の豊かさがぎゅっと詰まった街といえます。子育て世帯にも人気の砧の街を歩きます。
南イタリア料理「Trattoria Monolito」。テラス席は愛犬も一緒に入れる
最寄り駅は小田急線の「祖師ヶ谷大蔵」駅。「新宿」駅に直通21分で、東京メトロ千代田線への乗り入れにより「大手町」駅へも35分でアクセスできます。砧はそんな「祖師ヶ谷大蔵」駅の南側に広がる街。活気ある駅前を抜けると、その先に穏やかな住宅街。さらに進むと区内最大級の緑のオアシス「砧公園」。便利さと快適さのバランスが絶妙です。
買い物客で賑わう駅前商店街は「ウルトラマン商店街」。砧は特撮ヒーロー・ウルトラマンのふるさと。それに因み、周辺の三つの商店街が手を組んで「ウルトラマン商店街」と名乗っています。ウルトラマンや怪獣のオブジェが配され、ウルトラマンにまつわるイベントも開催され、ファミリー層にも人気です。全長約2.5キロ。400以上の店が並ぶこの商店街は個人店が多く、地元密着ならではの温もりが感じられます。
南イタリア料理の「Trattoria Monolito」。シチリアで修行したオーナーシェフが新鮮な素材をとっておきの一皿に変える
新鮮な魚介類や肉類を活かした本格的な南イタリア料理をアットホームな雰囲気の中で楽しめる「Trattoria Monolito」、犬連れOKのカフェ&ギャラリー「Roomer」、北欧の洗練されたアウトドアライフを提案する「NORDISK CAMP SUPPLY STORE by ROOT」といった新しいコンセプトの店が老舗と共に支持されているこの街には、風通しの良さと躍動感を感じます。
「Roomer」は、ギャラリーとして、またパーティースペースや撮影スタジオとしても使える。カフェスペースのメニューは週替わり
「NORDISK CAMP SUPPLY STORE by ROOT」。本格的なキャンプギアから日常を彩るアウトドアテイストのグッズまで揃う
閑静な住宅街を抜けると現れるのは「砧公園」。東京ドーム8個分以上の敷地を有する緑豊かな公園で、近隣住民の憩いの場になっています。公園内にある「世田谷美術館」は世田谷区在住作家の作品を中心にコレクション。鑑賞教室、ワークショップなど、アートとふれあえるさまざまなプログラムを提供する、砧の文化の発信地です。
「砧公園」に隣接する「大蔵運動公園」には温水プールやテニスコートなどのスポーツ施設が揃い、また、仙川沿いの桜並木など散策路も整備され、日常的に身体を動かす環境も整っています。子ども向け遊具のある公園が複数あるなど、子育て世帯にもうれしい街です。
「砧公園」は砧での豊かな暮らしを象徴する場所。ニューヨークにセントラルパークがあるように、砧には「砧公園」。このオンリーワンの公園を日常使いできることが、砧で暮らす大きなメリットです。砧公園サービスセンターのスタッフに、詳しくうかがいました。
「『公園』は世田谷区内最大級の広さの公園です。大きく二つのエリアに分かれていて、東側は野球場やサッカー場などが揃ったエリア。『世田谷美術館』があるのも東側ですね。フレンチレストランも評判です。西側には広大な芝生が広がっていて、ゴロンと横になったりお弁当を広げたりと、皆さん思い思いに楽しんでいらっしゃいます」
「春は花見の名所として人気で、夏に七夕飾りを作るイベントを、秋にどんぐりや枯枝の工作教室を、冬に野鳥観察会を行っています。季節ごとに見どころをまとめたマップを作って園内のサービスセンターに置いていますので、ぜひ参考にしてください」
バラ園では年2回、バラを見る会が開催される。普段バラの世話をしているボランティアさんのガイドも
「砧公園」にはもう一つ、砧の街の豊かさを強く感じさせてくれる場所があります。それは「みんなのひろば」です。
「『みんなのひろば』は、誰でも楽しめることを目指して2020年にオープンした広場です。障がいのある子もない子も、日本語がよくわからない子も、誰でも楽しく遊べる広場です。多様性を身近に感じ、お互いを尊重する気持ちが自然と芽生える、そんな場所になることを願って作りました」
船の形の遊具は車椅子でも上まで上がれるようになっていて、広いスロープは友だちや両親と一緒に滑ることができます。ブランコは寝そべって乗れるようになっていたり、背もたれにベルトがついていたり。回転遊具は身体がスポッとはまるようになっていて、身体を支える力が弱いお子さんも一緒に遊べます。遊具の周りの舗装を柔らかいゴム質にするなど、ほかにもたくさんの工夫があります。
プランターに花をみんなで植え、何度も来てもらって命の大切さを実感してもらうものなど、イベントも行っています。広場に大きな布を敷き、身体を使って絵を描く「塗りたくり」の作品は「世田谷美術館」に展示されます。子どもの心に誇りが生まれるイベントです。
「公園の利用者の皆さんにはとても喜んでいただいています。オープンしてからの3年間、アンケートを行ったんですが、それを元に改良もしています。日蔭が少ないというご意見があったので、よしずを張ったり、広場の入口の扉を増やしたり色分けしたり、皆さんのご意見を聞いて、日々新しくなっているんです」
「砧公園」の敷地はかつては都営ゴルフ場、ゴルファーのための場所でした。「砧公園」は「家族ぐるみで楽しめる公園」をテーマに1957年に開園しましたが、現在は「みんなのひろば」が象徴するように、障がいも世代も国籍も育ってきた文化も関係なく、みんなが楽しめる場所へと進化を続けています。お互いを尊重し合い、誰でも生き生きと暮らせる豊かな社会へ。「砧公園」が、砧の街の豊かさをさらに深めています。
協力:(公財)東京都公園協会 砧公園サービスセンター
写真提供:(公財)東京都公園協会
※掲載の情報は、2023年6月時点の情報です