利便性と緑豊かな環境を併せ持つ、仙台の中枢にそびえ立つ「プラウドタワー仙台勾当台公園」。
石、金属、タイルなど、多種多様な素材を用い、細部の仕上げにまでこだわって完成させた建築の見どころを、担当者が語ります。
「プラウドタワー仙台勾当台公園」の敷地は、県庁や市役所のある行政エリア、オフィス街、ショッピング街などが交わる利便性抜群の位置にあります。その一方で、杜の都・仙台を象徴する定禅寺通りにもほど近く、都心とは思えない緑豊かな環境を併せ持っています。
こうした仙台の中枢にそびえるタワーレジデンスにふさわしい上質な建築を目指して、デザイン監修をお願いした西山建築デザイン事務所の西山広朗さんと一緒に、コンセプトを練っていきました。
まず外観は、伊達政宗が生んだ「伊達の粋」にも通じる、土地の歴史や文化を感じさせるデザインにしたいと考え、低層部から中層部にかけて、仙台の伝統的な織物をイメージした縞模様のモチーフを生かすことにしました。また、上層部は中低層とは意匠を変え、ガラスを多用して、タワーらしい開放感や上昇感を表現したいと考えました。
織物のイメージを生かしたのは、バルコニーの手すり部分です。3色のアルミ製の部材を組み合わせ、縞模様の厚みも変えて凹凸をつけました。しかも、中ほどの接合部分は指と指を組んだように、複雑かつ立体的にパーツ同士をはめ合わせています。
金属という硬質な材料でやわらかな織物の繊細なイメージを再現するのが非常にむずかしく、何度もサンプルを作り直し、やっとのことで完成させたものですが、施工会社をはじめ、大勢の皆さんの協力で、完成度の高い精緻な仕上がりになりました。
エントランスに通じる1階の足元は、お客様をお迎えするアプローチにふさわしい高級感を意識し、多彩な材料を駆使しました。大通り側は透かし積みのタイルと植栽を組み合わせ、表情豊かな壁面をつくり出しています。
一方、エントランスがある側の開口部には目隠しのルーバーを設置しました。スチールの平らな板をねじるようにして林立させたもので、特殊な表面加工によって独特の味わいを見せています。夜、内部のラウンジの光が外に漏れ出したさまも美しく、いっそう風情を感じさせてくれます。
エントランスホールと、連続するラウンジもさまざまな素材を生かし、日本の伝統と現代の融合を表現しました。
エントランスから内部を見ると、最初に目につくのが、右手に連続するジグザグに折れ曲がった壁面です。これは屏風をイメージした鉄板のパネル材を組み合わせたもので、職人が一枚一枚、手作業で叩いて凹凸をつけた表面に照明の光が当たると陰影がより強調されます。
また、入口正面からエレベーターへと続く壁に貼ってあるのは、石巻産の稲井石で、別名仙台石とも呼ばれています。
エントランスホールと連続するラウンジは、日本建築を思わせる天井のデザインが目を引く、天井高の高い空間です。パーティションには外部と同じく、透けたスチールのルーバーを用いました。
専有部のプランの特徴としては、リビングダイニングの天井の高さが挙げられます。一般的なマンションの天井高は約2.4m〜2.45mですが、「プラウドタワー仙台勾当台公園」は2.6m〜2.8mを実現しています。全戸の天井高を通常の最上階並みにすることで、タワーならではの開放感を感じていただきたいと考えた結果です。
こうして改めて全体のデザインを見ていくと、やはり最大の特徴はマテリアルの豊かさにあるといえるでしょう。多種多様な素材を組み合わせながらも、ごちゃごちゃした感じにならないよう、余分な要素や色味を排除することに気を配りました。さらに、光の演出を加えることで、できるだけ洗練されたデザインでまとめ上げたつもりです。訪れる皆さんに、繊細なディテールが醸し出す上質さを感じ取っていただければ幸いです。
写真 : 新 良太
※掲載の情報は、2018年5月時点の情報です
※こちらの物件は完売いたしました。
インタビュー
野村不動産 住宅事業本部事業推進二部推進二課 古堅 聡
親が転勤族だったこともあり、いろんな土地に住んでいろんなものを見たい思いが強く、支店で働くのが夢でした。7年間の仙台滞在の間に12の物件を担当し、半年前に帰京しましたが、困難な仕事にも積極的に協力してくれる社内外のパートナーに恵まれ、あちらで家族も増えたので、仙台は去りがたいほど好きな街になりました。今後は他の支店でも働いてみたいですし、住宅以外の仕事にも興味があります。常に新しいことに挑戦していきたいと思っています。