横浜市郊外の高台に誕生した、全203戸の大規模分譲戸建住宅「プラウドシーズン横濱洋光台」。海外の街のような美しい街並みもさることながら、路線バスの誘致、マンションのノウハウを結集した共用棟の設置など、新たな取り組みも要注目。その見どころを担当者が語ります。
京浜東北線・洋光台駅からバスで約5分、京浜急行・上大岡駅からバスで約10分、横浜市郊外の高台にある「プラウドシーズン横濱洋光台」は、全203戸の大規模分譲戸建住宅です。ここは以前、IHI(旧石川島播磨重工業)の社宅があった場所で、同社と野村不動産との共同事業として再開発され、海外の邸宅街のような美しい街並みに生まれ変わりました。横浜市内で200戸を超える分譲戸建住宅街が誕生するのは、約10年ぶりのことです。
開発にあたって最も重視したのは、高低差があり、かつ形状もイレギュラーな敷地を生かした街並みをつくることでした。そもそも、街並みとは、道を歩いたり、車で走ったりする中で見えてくる景色です。碁盤の目のように道路が走る平坦な分譲地だと、街並みも単調になりがちですが、高低差や道があることによって、見る景色がどんどん変わっていく。そうしたさまざまな変化が楽しめる街並みにしたいと考えました。
歩いて楽しい街といえば、思い浮かぶのがヨーロッパの古い街並みです。一角には必ず、市民のよりどころとなる教会など、シンボリックな建物があります。そうした中世の城郭都市をイメージし、街角などの要所要所に、塔型の建物を配しました。
大規模な分譲戸建住宅は、統一感のある街並みがつくりやすい点がメリットですが、ただ同じ形や色の建物がずらっと並んでいるだけでは魅力ある街とはいえません。そこで、ここではまず街区内の道を、外周道路、中央を走るメインストリート、それ以外の曲がりくねった通リの三つに分け、どの道に面した住戸かによって建物や外構のデザインにバリエーションをつけることで、一体感と個性を併せ持つ街並みを目指しました。たとえば、外周道路に面した住戸は遠くから見られることを意識し、屋根の軒のライン、バルコニーや窓の高さを揃えることで連続性のある街並みを実現しています。
一方、直線道路のメインストリート沿いの家々は街並みが単調にならないよう、門柱や植栽などのデザインにも気を配り、賑やかで明るい街並みを演出しました。シンボルツリーの周りは「植え枡」。煉瓦や石でデザインしていますが、このデザインも場所ごとに素材の使い方を変えて個性を持たせています。
今回のプロジェクトで最も時間をかけて取り組んだのが、路線バスの誘致です。江ノ島電鉄にご協力いただき、既存の江ノ電バス路線を延伸させ、街区の中心に新たなバス停「プラウドシーズン」を設置しました。車体のデザインも、江ノ電をモチーフに両社が共同で手がけたオリジナルです。
そして、バス停の目の前に設置したのが、共用スペース「つながるHOUSE」です。プラウドシーズンシリーズでは、これまでにも街区の一角に独立した共用施設棟を建て、集会室として使用している例はありますが、ここではもう一歩進んで、マンションで培った共用施設のノウハウを応用し、常時、積極的に活用できる場をつくりたいと考えました。
内部にはコーヒーや読書が楽しめる多目的なスペースと、キッズスペースがあります。窓からは隣接する公園が見え、親が子どもを見守りながら過ごしやすいつくりです。もちろん、バスの待合室としても使えますし、防災用の備蓄倉庫としての機能も兼ねています。週3日、地元で長く暮らす女性がコミュニティスタッフとして常駐している点も、気軽に立ち寄りやすいポイントです。クリスマスやハロウィーンなど、季節ごとのイベントも開催されており、今後ここで住民同士の自然な「つながり」の輪が広がっていくことを期待しています。
各住戸のプランニングについては、ファミリー世帯が多いことを想定し、家事が楽になるつくりや、使う場所に近い分散型収納の充実に力を入れました。たとえば、玄関とキッチンをつなぐ位置に食品庫があれば、買い物してきた食料品もスムーズに運べますし、玄関土間とつながった大きなクロークがあれば、ベビーカーや外遊び用の道具なども気がねなくしまえます。家事にかかる手間が減れば、その分、家族で過ごす時間が増えるはずです。
このように、家族、住民、風景の「つながり」をテーマに、さまざまな提案を随所に盛り込みながら街づくりを進めてきたのが「プラウドシーズン横濱洋光台」です。これからコミュニティが醸成され、お住まいの皆さんにとって愛着ある街になってくれればと願っています。
※掲載の情報は、2020年2月時点の情報です
※こちらの物件は完売いたしました。
インタビュー
野村不動産 戸建事業部 推進二課 吉井浩介
以前は住宅メーカーに勤務していましたが、せっかく家が一軒完成しても、遠くから見ると周りの風景と馴染んでいないと感じることがよくありました。その点、野村不動産では街並みがつくれることに魅力を感じています。これまで多くのプラウドシーズンの開発に携わってきましたが、本物件は、路線バスの誘致及びバスロータリーのある共用施設の企画という、戸建では前例のない取り組みで、非常に手間と時間がかかりました。今後も都心・郊外を問わず、戸建住宅ならではの新しい価値を見出す提案をしていきたいと思います。