恵比寿駅から至近距離でありながら、閑静な高台の広大な敷地に誕生した「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」。将来を見据え、ホテル、保育所、老人福祉施設を併設した複合マンションです。デザインの見どころも盛りだくさんな、新しい都市住宅の魅力を担当者が語ります。
敷地は旧国有地で、国が売却にあたり、事業者に対して提案型コンペを行った結果、野村不動産が選定されました。「不足する都市部の宿泊施設の整備」と「高齢者・子育て支援施設整備」ということが条件であったため、分譲住宅、ホテル、保育所、老人福祉施設(デイサービス)の四つの機能を複合させた、次世代型複合マンションを開発することになったのです。
敷地はJR恵比寿まで徒歩5分の近さでありながら閑静な高台エリアの入口にあり、利便性と落ち着きを併せ持つ稀少な立地が魅力です。約4,000㎡のゆとりある面積であることから、緑で覆われる部分を増やすなどの対応をすることで建物の高さ制限が緩和され、通常より高い建物が建てられます。もともとここは豊かな緑に覆われた場所だったので、その記憶を継承するためにも、できるだけ建物をスリムにして緑地を増やすことによって、この条件をクリアしました。しかも、13階相当の建物が建築可能ですが、次世代の邸宅にふさわしい空間を生み出すために、あえて11階建てを計画。最上階では約3.1m、その他の階でも約2.6m~2.7mの天井高と見晴らしのよい眺望を実現しています。
植栽は建物の前面や屋上、住宅のルーフバルコニーだけでなく、ホテルの中層部にも立体的に配し、建物全体として緑をまとった軽やかさが感じられるようにしました。
また、敷地内の交差点角に昔からあった道標(みちしるべ)を工事中いったん移設し、もともと敷地に生えていた樹木を活用して元の場所に復元しました。周辺の住民にとっては馴染みのある、大切な土地の記憶を守り継ぐことができて、安堵しています。
今回、建物自体も多様な機能を複合していますし、周辺の街や自然とも共存することが求められるなど、さまざまな要素が集まる場所になるため、それらを一つに結集することで本物件が光り輝くことをイメージし、全体の物件コンセプトとして「価値の結晶化」を掲げ、「クリスタルライン」というキーワード(造語)でデザインをまとめ上げました。実は外観も、ガラス張りのホテル部分が岩石の塊から飛び出したクリスタル、結晶をイメージしています。
ステンレスパネルのすきまから漏れる光のラインが出迎えるエントランス奧の壁面には、滝をイメージした光るアートを配しました。「雪花ガラス」と名づけられたガラスは、アーティストの板橋一広さんの作品です。
エントランスの扉は水面のような表情を演出し、足元にもガラスを用いて水面を表現した仕上げを施すなど、ディテールにまでこだわって、独創的な世界観を追求しました。
内部に足を踏み入れると、エントランスホールの右手には「雪花ガラス」の壁が連続し、床・壁・天井から家具に至るまで、クリスタルに着想を得たデザインがちりばめられています。クリスタルをテーマに、複数の世界的なアーティストが手がけたオブジェが共用空間の随所に配されているのも、このマンションの特徴です。
各住戸へと続くエレベーターホールは、光のゆらめきを表現した曲面の壁に囲まれた上質な空間です。扉の脇に配したクリスタル状のオブジェは、新進気鋭のアーティスト・ユニット、we+(ウィープラス)が手がけたもので、実はエレベーターの到着時に点灯して予告するホールランタンの役目を兼ねています。
共用廊下はホテルのような内廊下形式で、ここでも、床の仕上げは結晶をモチーフにした特注のロールカーペットを採用しました。ライティングにも気を配り、単調になりがちな空間にこのマンションならではの個性を持たせています。
玄関ドアも、京都で製作を依頼した特注の木型に、溶かした金属を流し込んでつくった鋳物のオリジナル品です。
このマンションでは、共用の配管を専有部の外側に設置することで将来のメンテナンスやリフォームに柔軟に対応できる「スケルトン・インフィル工法」や、サイホン排水システムによってキッチンの配置がより自由になる「ミライフル」を採用しています。さらに一部住戸では、好みに合わせて間取りが変更できる有償の「オーダーメイドシステム」も備えているので、間取りの自由度がより広がり、理想の住まいがつくりやすくなります。
以上のように、すみずみまでクリスタルというコンセプトを貫き、都市の邸宅にふさわしい空間を実現したのが、「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」です。建物内の多様な機能だけでなく、街並みとも一体化して、文字どおり「結晶」となり、一歩先ゆく複合都市住宅として街に馴染んでいくことを願っています。
※掲載の情報は、2020年5月時点の情報です
※こちらの物件は完売いたしました。
インタビュー
野村不動産 住宅事業本部事業推進一部推進一課 宮田祐次
今回は初の複合型施設で大勢の関係者との調整が必要だったため、新たな経験が多く、とても勉強になりました。お客様は目が肥えた方が多く、中には複数の住まいをお持ちの方もいらっしゃるので、何か他にはない「心に響くもの」が不可欠です。今後もそれぞれの物件ならではの魅力とは何かを探りながら、ものづくりに励んでいきたいと思っています。