建築デザインプラウド椎名町ガーデンテラス

木々の緑が映えるキャンバスのような
洗練と安らぎの住まい

かつてアトリエ村と呼ばれ、芸術家が集まる街だった椎名町。「プラウド椎名町ガーデンテラス」はそんな街にふさわしく、樹木の緑が映えるキャンバスのような住まいをめざして精巧につくり上げられたマンションです。洗練されたデザインと落ち着きを併せ持つ建築の見どころを担当者が語ります。

「池袋モンパルナス」の趣を現代に生かす

池袋からほど近い椎名町界隈は、大正末から昭和初期にかけて多くの芸術家が住み着き、アトリエ付きの賃貸住宅が数多く建てられたエリアで、「池袋モンパルナス」と呼ばれていました。「プラウド椎名町ガーデンテラス」はそんなアトリエ村の面影を残す閑静な住宅街の一角にあります。ちょうどコロナ禍でテレワークが推進され始めた時期に計画されたこともあり、歴史と先進性の両面を考慮し、自宅にアトリエを持つような豊かな暮らしを提案したいという思いから計画がスタートしました。

外観デザインは周辺の建築や緑に馴染むよう、白やグレーのモノトーンを基本としました。建物は5階建ての南棟と3階建ての北棟を連結させたような構成で、総戸数は全32戸です。北棟の住戸(写真手前)のコーナーサッシ、突き出したバルコニーのガラス手すりや庇(ひさし)が、印象的な外観づくりに一役買っています。

敷地北側は周辺の緑と呼応した植栽となるよう、株立ちのシャラソウジュとソヨゴを交互に植樹。足元は低木で高さを抑え、木々の間からデザインウォールがほどよく垣間見えるように計画しました。また、東側には街に開かれたポケットパークとなるよう、懐の深い植栽帯を設けています。外壁は戸建て住宅が中心の街並みと調和させるために、特殊塗装のグレーによってボリュームを分節する一方、主役の植栽の緑が映える「キャンバス」のような建築をイメージして白いタイルを選び、清潔感のあるすっきりとした外観を実現しました。

色彩や素材感を追求したファサードのデザイン

北側の道路沿いに植えた樹木の背後には、高さ3.5mのデザインウォールを立てました。入口近くの壁(向かって左)はコンクリート製ですが、途中から特殊塗材を使用した塗り壁に切り替えています。土壁のような壁面に映る木の影は、表面の凹凸の効果で独特の表情を醸し出し、道行く人々の目を楽しませてくれます。

デザインウォールは目地を入れて8層に分け、それぞれ表面の仕上げを変えています。おかげで、同じ色とは思えないほど豊かな表情が生まれました。

今回、このデザインウォールの塗料メーカーであるエスケー化研の社内デザイナー、高山美幸さんには、自社の塗料に限らず、建物全体の色彩計画を一緒に考えていただきました。タイルから雨樋に至るまで、一つ一つの素材や仕上げにこだわることで、周辺環境と調和する建築が実現できたのではないかと思います。

建物の「顔」となるメインの北面以外のファサードも、ディテールに至るまで気を配りました。南面は白い縦部材のマリオンで黒いボリュームを分節し、凹凸をつけることで圧迫感を和らげています。また東面は構造上、大きな窓が開けられないため、小窓が続く単調な外観にならないよう、黒い金属の横桟を窓の上下に配し、間の壁を黒い塗装仕上げにすることによって、変化をつけました。

樹林を抜けた先に続く、木の香り漂う共用空間

エントランスは2本のシンボルツリーと、2枚のコンクリートの壁を抜けた先にあります。「本実(ほんざね)型枠コンクリート」と呼ばれる壁は、型枠の杉板の木目を写し取る独特の工法でつくられており、木のようなやわらかな表情が生まれました。

2枚の壁の間から奥を見通すと、長いコンクリートの壁が手前からガラス扉の向こうまで続いています。

ガラス扉を抜けて風除室に入ると、正面右に外の緑が見える開口部があり、手前には池袋の地名にちなんだフクロウをかたどったオブジェが置かれています。共用空間は木をふんだんに用いており、天井やエントランスのドアにも天然木を使用しました。

エントランスに一歩足を踏み入れると、植栽帯の豊かな緑を背景にした、開放感あふれるラウンジが目に飛び込んできます。全面開口の外には広いテラスが連続しています。ラウンジにも木が多用されており、手前の彫刻のようなベンチは椎名町の「椎」から連想される椎の木を用いました。

ラウンジだけでなく、広いテラスも、お住まいの皆さんが気分転換やテレワークなど、自由に使える共用スペースです。

「大人の秘密基地」もつくれるセレクトプランを用意

アトリエ村があった土地にふさわしく、住戸の間取りにもひと工夫を凝らし、テレワークや趣味の場として使えるアトリエコーナーを用意しました。最上階のロフトのある住戸以外の全戸に、収納や書斎として使える1畳分のDENもしくはロフト空間が標準で備わっていますが、一部の住戸では3LDKを2LDKに変更することで、このDENを2畳に拡張できます。写真はその2LDKのセレクトプランを再現したモデルルームです。

この他、南側の最上階にはロフト付きの100平米超と80平米超のプレミアム住戸を設けました。ロフトの天井高は1.4mですが、広さは約7〜11畳あるため、大型の納戸として活用できます。同時に、上部にロフトがないリビングダイニングの天井は約4.7mもあり、大きな吹き抜け天井の開放感は格別です。

以上のように、細部にわたって検討を重ねることで、完成度の高い建築になったと自負しています。今後、この建築が街の新たなシンボルとなるだけでなく、時がたつにつれて点から線、線から面へと広がり、周辺の街並みがいっそう美しさを増していくことを願います。

インタビュー

野村不動産 住宅事業本部事業推進一部推進二課 畠 佳久

「プラウド椎名町ガーデンテラス」は、時間をかけて開発に携わった思い出深い物件です。足場がはずれて建物全体が姿を現した際、精度の高い設計が形にできたと感じました。デザインウォールを塗装した職人さんから聞いた話ですが、北側の道路を散歩ルートにしている近隣の保育園の子どもたちが、「何、この壁、おもしろい」「触りたい」などと言いながら歩いていたそうです。独特の表情が持つ温かみや豊かさが子どもたちに伝わるような建物がつくれたかなと、うれしかったですね。

プラウド椎名町ガーデンテラス

所在地
東京都豊島区南長崎
交通
西武池袋線「椎名町駅」徒歩7分 都営大江戸線「落合南長崎駅」徒歩11分
総戸数
32戸
竣工
2022年5月

※掲載の徒歩分数は、2022年7月時点の「不動産の表示に関する公正競争規約」に沿った表示となります。

※掲載の情報は、2023年6月時点の情報です
※こちらの物件は完売いたしました。