「プラウド世田谷砧ガーデンテラス」は利便性と閑静さのバランスが取れた敷地に建ち、いかにも世田谷らしい「ゆとり」を感じさせるマンションです。ボリュームある緑のアプローチ、その緑が内部からも存分に享受できる共用部など、建築の見どころを担当者が解説します。
「プラウド世田谷砧ガーデンテラス」は小田急線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩9分の住宅地の一角にあり、生活の利便性と閑静さのバランスが取れた環境に立地しています。建物は3棟構成で、物件の顔となる西棟、14スパンと長大なボリュームの南棟、4スパンの東棟をコの字形につないだ、総戸数115戸のマンションです。
ここに建つにふさわしい建築とはどのようなものかをイメージし、導き出したキーワードが「ゆとり」です。このマンションを選ぶお客様はおそらく、各住戸の空間的な広さや物件としてのスケールだけでなく、この世田谷らしい住環境で穏やかに暮らす──そうした心のゆとりを求めるのではないかと考えたからです。
そこで、まずエントランスのある西側の外観を、ゆとりある邸宅の品格を感じさせるデザインにしたいと思い、前庭については足元に意図的に土を盛ることで、より立体的に緑を感じられるように計画し、また、歩道から見たときには重厚感が感じられるような自然石を設えました。ファサードにはエントランスホールを縁取るように門構えを形成し、アースカラーのタイルを採用することで、物件のアプローチとしての安定感と緑に馴染む温かみを与えています。
エントランスホールに続く風除室は3面ガラスで仕上げ、外構の緑を映し込み、外部と緩やかにつながるガラスボックスのような空間としています。アプローチの両側に配したイロハモミジは、お客様を迎え入れるゲートを表現できるような樹木を選定し、植え込む際の角度にも気を配りました。アプローチから前庭に沿って手前に配した自然石は、錆びた表情が美しい恵那石です。
前庭には常緑樹と落葉樹を吟味して多様な樹木を採用し、また、植栽帯はエントランス周りだけではなく、西側歩道状空地に面して連続させていますので、道ゆく人々も四季折々の変化を楽しむことができます。
南側の外観は西側とは趣が異なります。南側は7階建てで、戸境壁を兼ねたマリオンは5階中間でとどめ、上層2層のガラス手摺は戸境に対して前面に設けることで基壇部と対比させながら軽やかに表現しています。南側は周辺道路から全景を見ることがむずかしいため、建物からせり出したマリオンの重なりにより、歩行者から見たときに奧までマリオンが列柱のように連続して見え、美しい陰影と奥行きが感じられるデザインとしました。
また、南側はガラスをメインに構成しており、上層には空を映し出す熱線反射ガラスを採用し、低・中層部の中でも色を変えてデザインを分節させるなど、14スパンにもなる長大なボリュームの印象をいかにしてガラスで和らげられるか検討を重ねました。
さらに、最上階に設けたルーバー付きのガラス庇も、外観にリズム感を与えています。
エントランスホールはカーブを描いたルーバーとタイルの壁面に囲まれた2層吹き抜けの大空間で、全面開口から前庭の緑が存分に眺められます。前庭の緑を映し込むアルミ鏡面仕上げの天井や壁面に連なるルーバーにより、吹き抜けならではの空間の伸びやかさが最大限に感じられる計画としています。
ルーバー上層部には、前庭の緑に馴染む自然素材を採用したいと考え、国産天然木のスギで製作しました。曲線を描いたデザインは空間にやわらかな印象を与えるだけでなく、エントランスホールからラウンジやメールコーナーなどの日常動線へ自然にいざなう役割も担っています。
大開口の対面にはアイストップとして、坪庭を設けました。緑豊かなイメージを内部まで引き込みたいと考え、グリーンの大判タイルで壁面を仕上げ、樹木を模したロートアイアンのオブジェを配しています。
ラウンジは用途によって使い分けられる二つのスペースを用意しました。一つは前庭に面した開放的なラウンジで、外気を感じられるテラスもあります。テラスから前庭を見たときに小径のような雰囲気を演出できるように、足元には自然石の敷石を入れ、敷石の流れに合わせて植栽を傾けながら外構をデザインしました。家具にも国産天然木を取り入れており、ソファやコーヒーテーブルにはニレ、カウンターの天板にはカバを採用しました。
もう一方の奥まった位置にあるラウンジは、迎賓の間として活用できる落ち着いた空間です。ウォールナットの一枚板のテーブルが格調とゆとりを感じさせます。
以上のように、さまざまな形で「ゆとり」を表現するデザインを大切につくり上げたのが「プラウド世田谷砧ガーデンテラス」です。今後、時とともにより美しさや味わいが増していく住まいとなることを願っています。
※掲載の情報は、2025年2月時点の情報です
※こちらの物件は完売いたしました。
インタビュー
野村不動産 住宅事業本部事業推進三部推進一課 舘野泰輝
外観、外構、共用部など、すべてにわたって完成度の高さを追求しただけに、いろいろな苦労もありましたが、竣工後、とても満足してお住まいになっているというお客様の声を耳にすることが多く、うれしい限りです。今後、お住まいの方はもちろんですが、道ゆく街の皆さんの記憶に残るようなマンションになれば幸いです。