建築デザインプラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ

街の新たな入口にふさわしい
永く愛される建築をつくる

商業棟などを併設した、駅直結の大規模複合開発の一環として計画された総戸数277戸の大規模マンション「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ」。お住まいの皆様だけでなく、街の人々に永く愛される建築を実現するために、プロジェクトに込めた想いを担当者が動画で語ります。

街の賑わいと住居棟としての落ち着き──この一見相反する特徴を両立させた「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ」。両者の間にほどよい距離感を生み出した立体的な公開空地をはじめ、外観、共用部など、多様な建築の見どころを担当者がさらに解説します。

どこから見ても美しく、統一感と存在感のある外観

「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ」はJR埼京線の武蔵浦和駅から徒歩1分、ペデストリアンデッキで駅と直結した好立地に誕生した総戸数277戸のマンションです。敷地内にスーパーマーケットや飲食店、クリニックなどが入る低層の商業棟と事務所棟を併設した大規模複合開発の一環として計画されました。

L字形に配した2棟の住宅棟、商業棟、事務所棟の計4棟が一つの統一感ある建築群として見えるよう、共通のデザインコードを設け、白とグレーを基調に、シンプルモダンでありながら存在感のある外観をめざしました。

当初はタワーマンションにする計画もありましたが、周辺にお住まいになる方の住環境を優先し、眺望や風環境を考慮して現在の計画としました。その結果、マリオンで分節することで、ワイドな横幅による圧迫感を和らげました。

L字形に配した2棟の配棟により、互いの視線が気にならないよう、西側の棟に天然木のような風合いを持つアルミルーバーを設置しました。位置と角度によって少しずつ見え方が異なることから、原寸大の模型をつくって検討したうえで、ルーバーのピッチを細かく変えています。

地域に永く愛される建物にすべく、どこから見ても美しいファサードにこだわりました。ペデストリアンデッキからよく見える北西側の外観も、共用廊下に面した手すりを乳白ガラスにするなど、ディテールの工夫を重ね、南東側と統一したデザインを実現しています。

街に開かれた立体的な通路と広場を創出

この事業はさいたま市地区計画に基づいて計画され、敷地内に街の人々が自由に往来できる歩行者空間や広場を整備し、連続性のある街並みをつくることが要件でした。そこで、住宅棟と商業棟の間に通路を貫通させ、かつ商業棟の屋上とつなぐことで、地域の皆様に楽しんでいただける立体的な公開空地を創出しようと考えました。

駅と直結したペデストリアンデッキから続く貫通通路を奧に進むと公共施設や田町通り方面にスムーズにアクセスできます。また、商業棟奧のコーナー部には幾何学状の階段とベンチを設置し、3層にわたる立体的で緑豊かな公開空地を連続させました。

商業施設の角は通常、一等地の売場に充てられるスペースですが、そこをあえて斜めに切り取り、街の人々の憩いの場として広がりのある階段を設け、開放したのです。

建物の3階に該当する貫通通路から4階を経て、5階の屋上広場に至るまで、随所にベンチを配し、人が溜まれる場を設けました。

上へ上へといざなわれるように登っていくと、開放的な屋上テラスに到達します。屋上には芝生の広場や段差のあるデッキを設けました。子どもが走り回れる回遊性や一体感を保ちつつ、非対称な多角形の植栽帯による緩衝地帯を配し、床のレベルに変化をつけることで、どこにいても周りを気にせず落ち着ける空間づくりを心がけました。

特別感を感じさせる住宅棟の入口と多様な共用空間

マンションのエントランスは貫通通路の入口右手にあります。通路から階段を上がってアプローチすることで、街との連続性は保ちながら、お住まいの皆さんのための領域である特別感が感じられます。また、格調ある構えを演出するために大きな庇を設け、入口に面した3本の柱のみ透明ガラスで囲いました。

エントランスホールは壁自体にアーティスティックな存在感を持たせたいと考えてデザインしました。壁面の凹凸と間接照明が、より奥行きを際立たせています。

エントランスホールの奧には二つのラウンジがあります。手前のラウンジはさらに二つのコーナーに分かれていますが、特に会議やデスクワークといった用途を限定せず、多目的に利用できるスペースです。

奥のラウンジには暖炉を設置し、個人でも長い時間を過ごせるよう、家具も一人掛けのラウンジチェアを多めに配置しました。

さらに、エレベーターホールへ向かう共用廊下の一角には、眺めのよい「ポケットスペース」を設けました。背後の壁面にはデジタルサイネージを設置し、お住まいの方がここですれ違う際、ちょっと荷物を置いて会話ができるような空間を想定してデザインしています。

それぞれの人がほどよい距離感で快適に過ごせる街に

このように、街としての賑わいと落ち着いた住環境のバランスを取るという難易度の高いプロジェクトでしたが、魅力的な貫通通路と公開空地を中核とし、ベンチや階段形状、ルーバーの配置など細かい部分にもこだわってデザインすることによって、人々が適度な距離感を持ちながら快適に過ごせる街づくりができたのではないかと思います。今後、地域に永く愛されるランドマークとなることを期待しています。

インタビュー

野村不動産 住宅事業本部事業推進二部推進二課 髙橋りり子

本件を担当するにあたり、武蔵浦和にお住まいの皆様に愛される建物をつくることに強い責任感と使命感を持ちました。住まわれる方はもちろんのこと、この地域にお住まいの方にとっても快適な空間にするためにはどうすべきか、さまざまな視点から検討を重ねました。行政を含んだ多くの関係者と一緒に、この地域とこのマンションをよりよくするために何ができるかを考える時間はかけがえのないものでしたし、貴重な経験になりました。新しい環境を創造するにあたり、お客様や地域の皆様に提供できる価値について、今後も追求し続けることが欠かせないと考えています。

プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ

所在地
埼⽟県さいたま市南区沼影一丁目目93番1の一部(地番)
交通
JR埼京線・武蔵野線「武蔵浦和」駅 徒歩1分
総戸数
227戸
竣工
2024年2月
※掲載の徒歩分数は、2022年7月時点の「不動産の表示に関する公正競争規約」に沿った表示となります。

※掲載の情報は、2025年3月時点の情報です
※こちらの物件は完売いたしました。