リビングや居室にそれぞれの壁掛けエアコン――今までのマンションの冷暖房は、「各部屋ごと」が主流でした。そんな「あたりまえ」が、今、大きく変わろうとしています。
それが、野村不動産プラウドマンションシリーズの床空調システム「床快full空調(ゆかいふる空調)」。
天井に埋め込んだ一台のビルトインエアコンで、住戸全体に新鮮な外気と冷暖房の空気を行き渡らせるという、グッドデザイン賞のベスト100にも選出された画期的なシステムです。
木枯らしが吹き始めたある冬の休日。
家族揃っての外出から戻ってマンションの扉を開けると、そこはおだやかな暖かい空気に満たされています。玄関はもちろん、廊下もキッチンも、手を洗う洗面所も、もちろんリビングも。住まいのどこに居ても、暑すぎず寒すぎない快適な室内環境。
留守の間もずっと快適な温度が保たれているので、ペットも快適に過ごせます。寒がりの猫も、温められた廊下の床で気持ちよさげに寝そべっています。
各部屋に取り付けられていた壁掛けエアコンがなくなり、見た目もすっきり。バルコニーや玄関まわりに置かれていた室外機が、1台のみというのもうれしい変化です。
※住戸の広さや形状により、エアコン・室外機が2台以上になる場合があります。
マンションの一住戸全体を空調するということ、それは、住む人やペットの快適さを大きく向上させること。そんな発想から実現したのが「床快full空調」なのです。
「床快full空調」を生み出す原点は、冬のヒートショックと夏の熱中症でした。今や社会問題となったこれらの健康障害は、実は屋内で起きる割合がとても高いのです。その原因は、部屋ごとの空調による住戸内の温度差にありました。リビングは快適でも水回りや寝室、廊下は冷えているといった温度差問題を解決するためのアイデアが、24時間一住戸全体を空調するというシステムだったのです。
「床快full空調」のシステムは、廊下の天井などデッドスペースに埋め込んだ1機の高効率ビルトインエアコンが、一住戸全体の空調を担うというものです。
ビルトインエアコンからの冷暖房の空気を、上の図のように二重床の空間を使って循環させます。すると、床からの輻射と緩やかな気流によって壁や天井の表面温度が安定し、壁や天井からも輻射効果が得られて部屋の温度のムラが少なくなるのです。
気流が住戸内の隅々までムラなく効率的に流れるために、建具には空気が通るよう通常より大きめのアンダーカットや、スリットが施されます。24時間稼働させることで常に適温に保たれるのと、床や壁などから立体的に暖かさが伝わります。
また、全熱交換器により24時間365日空気が循環するため、外気との入れ替えができ、いつでもクリーンな室内環境を保つことができます。春や秋などにビルトインエアコンを止めても、全熱交換器により快適な空気環境が保たれます。
開発の途中では、協力会社と連携し、シミュレーションによるプランニングと、実物大のモデルを使っての検証が繰り返し行われました。場所によっての温度ムラが少ない、住戸内の快適な環境をいかに作り出すかが、最も難しいポイントでした。
また、いくら性能が良くても設置コストが膨大にかかってしまうのでは実現が遠のきます。野村不動産では、70~80㎡の空間をターゲットに、汎用品を賢く使い、最も効率よくかつコストを抑えてまるごと空調が実現できる道を見つけ出したのです。
「床快full空調」はもともと24時間運転が基本、一週間程度の旅行で留守にする場合など、冷暖房を必要としない場合に、通常より設定温度を緩和して運転することで、省エネをしつつ(※1)、帰宅時にはいつもと変わらぬ快適な室温が保たれているので、ペットがいるご家庭でも安心です。
また、床スラブ下全面の断熱や二重サッシの採用など、高気密・高断熱の構造により熱が逃げにくくなる上、壁掛けエアコンや床暖房のオン・オフを繰り返すよりも、設定温度を緩和した連続運転の方が省エネになります。(※1)
※1:あくまでシミュレーションによる試算であり、使い方・諸条件によって結果は異なります。
便利に使いこなすためには、スマホアプリ(※2)を使って帰宅前にあらかじめ温度設定を変えることも可能。各部屋の吹出口の開口を調整することで、部屋ごとの室温を微調整することもできます。
※2:遠隔操作については、無線LAN接続環境とアプリの設定が必要となります。
マンションの持つ高気密・高断熱という特徴を最大限に利用した「床快full空調」は、省エネルギーという面でも高く評価されています。
エネルギー消費量を減らすマンション
環境省採択「高層ZEH-M支援事業」
床快full空調が採用されたマンションは「高気密・高断熱」。「環境性能」に配慮されているため、床快full空調を採用した「プラウド高田馬場(分譲済)」「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ(分譲済)」は、環境省が推進する「高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)支援事業」に採択されました。
断熱性の高い住まいで、快適で健やかな暮らしが送れるほか、エネルギー使用量を減らす「高効率設備」を採用しているので、断熱性の高さと合わせて光熱費を節約でき、家計に優しい暮らしの実現を目指します。
※全ての床快full空調対応物件が、ZEH-Mではありません。
ZEH-M(ゼッチ・マンション) orientedとは、外皮の断熱性能を大幅に高め、高効率設備の導入により、快適な室内環境を保ちつつ大幅な省エネ(省エネ基準比20%以上削減)を実現したマンションです。
グッドデザイン賞は、さまざまに展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちの暮らし、産業、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」です。グッドデザイン賞を受賞したデザインには「Gマーク」をつけることが認められます。「Gマーク」は創設以来半世紀以上にわたり、「よいデザイン」の指標として、その役割を果たし続けています。
※掲載の情報は、2023年3月時点の情報です