リビングの壁面に飾られた絵画は、上海生まれで東京在住の現代中国絵画の俊英、孫家珮(ソン カヘイ)さんの作品。Sさんが好きで何点もコレクションしている画家です。ダイニング脇の壁に飾った蘇州の風景画も同じ作家の作品で、むしろ美人画は珍しいそうです。
祖父の代から続く会社を経営する70代のSさんは、二人のお子さんもすでに独立し、奥様との二人暮らし。奥様は本社ビルの一角に構えるレストランのオーナーで、ご夫妻揃ってお忙しい生活です。以前の住まいは本社近くの住宅街にある一軒家で、15年前に建て替えたものでしたが、一生住むことに疑問を感じたと振り返るSさん。都心の広い敷地だけに固定資産税も高額で、庭の手入れにも費用がかかり、近所付き合いも失われてきたからです。「大雪の翌日、外に出ると、昔なら道路半分はお向かいさんが雪かきしてくれたのに、今や周囲はアパートばかりで、相当な面積を一人で作業しなくてはならなくなり、このまま住み続けていいものかと思い始めました」。
結局、Sさんは子どもたちに遺品の片づけや相続税問題を残さないためにも、土地を売り、自分たちは近くのマンションに住もうと決断。当初はタワーマンションを見て回りましたが、庭木をめでる戸建生活を営んできたSさんの目にかなう物件は見つからず、低層マンションを探し始めた頃に知ったのが、「プラウド白金台三丁目」の建設計画でした。Sさんが選んだのは、その中でも1階の住戸です。「ここまで広いテラスがある住戸はなかなかないし、個室も共用の中庭に面していて、玄関からリビングまでの動線が短いのもよかった。洗濯機置き場が奥まっていて、入口から丸見えにならないバスルームのつくりも気に入りましたね」とSさんは語ります。
Sさんは「オーダーメイドシステム」を活用し、内装を大きく変更。床は愛犬が夏場涼しく過ごせるよう、すべて天然石貼りに変え、LDKの壁面の一部をタイル貼りに。お気に入りの絵を掛けるため、随所にピクチャーレールを設置しました。新居を拝見すると、広いテラスに面したLDKばかりか、二つの洋室からも中庭とエントランスホールの向こうの緑までが眺められ、まさに戸建て感覚です。
ところで、終の棲家づくりに熱心なご主人に対し、奥様は当初、無関心だったとか。というのも、経営する店が入居する本社ビル内に、以前からひととおりの生活ができる一室を所有しており、仕事が深夜に及ぶ際にはいつでもその部屋に寝泊まりできたからです。
一時は一人住まいになる恐れもあったと苦笑するSさんですが、奥様がきっと気に入ってくれると信じ、コーディネーターのAさんと相談しながらインテリアを完成させていきました。玄関には奥様が気に入りそうな絵を掛け、テラスには完成時にちょうど咲く真紅のバラを植えたプランターを配置。お膳立てが整った11月、ついにお披露目する日がやってきました。奥様はご主人からの贈り物ともいえる新居をとても気に入り、「あなた、センスがいいのね」とほめてくれたそうです。
Sさん自身も住み心地には大満足で、「リビングと寝室の両サイドから緑が見えて、まるで旅館の離れにいるみたいですよ」と、うれしそうに語ってくれました。
リビングの壁面に飾られた絵画は、上海生まれで東京在住の現代中国絵画の俊英、孫家珮(ソン カヘイ)さんの作品。Sさんが好きで何点もコレクションしている画家です。ダイニング脇の壁に飾った蘇州の風景画も同じ作家の作品で、むしろ美人画は珍しいそうです。
共用部の緑が楽しめる広いテラスには、プランターを配置。植わっているのは、晩秋に鮮やかな真紅の花が咲く薔薇。完成した住まいを奥様にお披露目するのが11月だったため、ちょうどその頃に咲くようにと、Sさんが植えたもの。奥様への愛情が感じられます。
中庭の樹木だけでなく、共用のエントランスホールの向こうの緑まで眺められる寝室は、ゆったりと落ち着けるプライベートリビングのような趣。Sさんが選んだパープルの美しいカーテンは、フジエテキスタイルの製品です。
※掲載の内容は取材協力頂いたコメント等を弊社側で編集したものです
※掲載の情報は、2016年7月時点のものです。